落としたカギ、届く。
小さい頃から、買い物を頼まれたらお金は落とすし、お金を取りに帰れば、今度は何を頼まれたのかを忘れる始末。
さすがに父は、一万円札を握らせれば落とさないと思ったのか、あるときから一万円札を渡すようになった。しかし、それで注意力散漫な性格がなおるわけもなく、一万円は店に行くまでにきれいさっぱりなった。来た道を家まで戻ると、道端で見つかったのは、雨の日の一回だけだった。
言ったことも、言われたことも、やったことも、やられたこともすぐ忘れてしまう。だから、後腐れがなくていいかもしれないが、まわりからみたら、ひやひやし通しだったことだろう。
ちなみに、怒られている途中で、なにを怒られているかを忘れてしまうことが時々おこる。思わず笑いたくなってしまうが、相手は真剣なので、とりあえず足をつねってみる。それが、忘れ物と落とし物のプロフェッショナルとしての流儀だ。
よく忘れる物の代表が、携帯。家に忘れて出かけてしまう。取りに帰ることもないし、まあ、なんとかなるだろうと過ごしてしまう。
そして、今回落としたのは、家のカギ。新千歳空港に忘れたから、取りに行きたくても、そう簡単にいかない。空港という場所はすばらしく、きちんと落とし物として届いていた。
拾ってくれた方、ありがとうございます。
合い鍵を作るなら、420円。北海道からの着払いは、1160円かかった。金額の問題ではなく、自分が落とさなければ済んだ話。いやはや。
北海道旅行から3日、ようやくわが家に入れる。
あれ、ここ、うちだっけ?
忘れた!