生井俊の目線。

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子育ては誰がするのか。そしてファミリーサポート事業について。

※2006年執筆の記事です。
 子育てしやすくなっているとはいえ、10年経ってもあまり改善されていませんね。

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母親が映画を観に行っている間に、家に置き去りにした生後4カ月の男児が亡くなる事件が起きた。

母親が悪いと責めるのは簡単。その裏で、国レベルでやっているファミリーサポートなどの、育児支援が機能していないことが露呈している。

育児をしている人で、1時間800円程度の金額でベビーシッターが頼めるのを知っているのはどれくらいいるのだろうか。どれだけが利用しているのだろうか?

また、東京都北区のように「お茶を飲みに行く時でも利用してください」という自治体もある一方、同品川区のように「冠婚葬祭など、どうしてもという時に依頼してください」というところもある。孫がいなく、子どもをかわいがりたいと思う年配者が割と登録してくれているのに、意外とそういう人のネットワークが生かせていないのだ。なぜ、北区はOKで、品川区はリフレッシュじゃだめなのだろうか。

子どもを抱えると、自分一人で育児をしているような気になってしまう母親。危険なことだと思う。もっと、地域ぐるみで、いろんな人を巻き込んで育児をしていくべきなのだと思う。そして、制度を用意したなら使いやすくする、広報する人がしっかりしないといけない。

電車で泣いている子を見て、レストランにベビーカーでやってきたのを見て、不愉快そうな顔をする人が少なくありません。もう少し、大らかさが必要なのではないでしょうか。
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(追記)

最近、ボクのまわりには、育児積極派の男性が多い。
「たまには一人で映画でも観ておいでよ」と、子どもを見てくれるダンナだと理想的かも知れない。


国の「エンゼルプラン」「新エンジェルプラン」がこけたとかいう話も聞くが、10年くらいのスパンでこういう政策が打たれてきたから、今、いろんなサービスや休暇制度が立ち上がりつつあるんだと思う。ボクが勉強不足で知らなかった部分もあるが、それ以上に政府の広報も下手だと感じる。
http://www1.mhlw.go.jp/topics/syousika/tp0816-3_18.html

地域ぐるみで子育てをしよう、というのがファミリーサポートという事業の趣旨。「赤ちゃんの泣き声が聞こえない」ということを危ぐし、立ち上がってきている。

確かに、20年近く前なら、地域に赤ちゃんがいる風景というのが当たり前にあった。今は、少子化以上に、母親たちのネットワークが発達し、子どもがいる場所、いない場所の差がはっきりとしてきている。横浜や、各地の高島屋のベビーフロアには、ベビーカー軍団が多い気がする。それはかたまりすぎで、もう少しいろんな場所に出て分散できると違ってくるのではないか。

ボクは、「子どもおことわり」と書いていないレストランに関しては、赤ちゃんの時から連れて行っている。周りは嫌かもしれないし、親もプレッシャーに押しつぶされそうになると思う。しかし、子どもがそういう場に出ていかないと、育たないとも思っている。



一度、2歳くらいの男の子が、電車でずっと泣き叫んでいた。ボクのムスメなら電車から降ろしたりするが、その母親は見て見ぬふり。周りの乗客も不愉快そうにしていた。

しばらくして、その列車にいた長老が近づき、ひとこと。
「やー、ボクは元気だなあ。そうか、電車楽しいか。」



ファミリーサポート制度は、「ママパパ学級」で説明するところが増え、利用者は年々増えているようだ。孫がいない世代や、子育てが終わって手が空いた世代は、できることはないけど、子育てで地域貢献できるなら、と考える人たちは意外と多い。だが、ファミリーサポートの養成講座があることは、区市報を目をさらのようにして見ていないと気づかないし、たいていの自治体では定員割れで、公務員やその友達がかり出されて参加している状況が見受けられる。なんとか、このミスマッチを是正しなきゃいけない。



母親については、「いろんなことを知らないまま子育てしてるおかあさん」と、「情報がありすぎておぼれちゃってるおかあさん」に2極化している問題もある。

ファミリーサポートの養成講座で、北区でも品川区でも、「一本橋こちょこちょ」とか、「トントントントンこぶじいさん」のような「手あそび」を習うのだが、ボクはまったく知らないものだった。下に兄弟がいないし、保育園ではなく幼稚園からだったからだろう。

しかし、年配者はほぼ「手あそび」や「はやしうた」のようなものは知っている。情報過多になるのはどうかと思うが、身近にいる諸先輩に頼るべきところも多いと思う。



一時保育、ファミサポの料金、ベビーシッターの1/2~1/3程度で利用しやすくなったとはいえ、確かにまだ高い。

23区内でも、人口減に悩む北区は「ママ・パパ子育てほっとタイム事業」など、手厚くサポートしているのが好印象だ。
http://www.city.kita.tokyo.jp/docs/service/080/008074.htm
(北区の支援全体、3ページあります)
http://www.city.kita.tokyo.jp/menu/service/category/002/004/000.htm



「子どもを赤の他人に預けるなんて!」という文化も根強く残る。親の親が、世間体を気にして、「そんなことするなら、私に頼んで」という人も多いのだそう。そこで、頼めるのなら頼んでいるのだろうが、家が遠かったり、頻繁だったり、義理の親だったり…いろんな要素が絡んでくる。

スープの冷めない距離に住むのが理想とよくいうが、お互いの生活に干渉せず、でも必要な時に助けてくれる親の親(じいちゃん、ばあちゃん)は、なかなかいない。

それを考えると、地域のサポートの方が、さっぱりしていていいのかもしれない。どうやって、ファミリーサポートという事業の支持を取り付けていくかが検討課題だ。



もちろん、金額どうこうではなく、必要なときに預けられる体制が必要だ。北区をほめちぎる意図はまったくないが、ほっとタイム事業のように、チケット制にしてしまうのもひとつの手だとは思う。

お金があるから、例えば自分の趣味のためにファミサポを頻繁に利用するというのは本末転倒で、そのうちそこへの対策が必要になってくるだろう。保育園、幼稚園の送迎目的以外の利用は月○回以内のように。それよりまずは、広めていく、利用してもらうことが大事なのだ。


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(時事通信社 - 08月17日 13:10)
 16日午後11時すぎ、東京都豊島区のマンションで、30代の母親が帰宅したところ、生後4カ月の男児がベッドでうつぶせの状態でぐったりしているのを発見、110番した。男児は同区内の病院に運ばれたが、間もなく死亡した。母親は乳児を置いて約5時間、食事や映画に出掛けていたという。

 警視庁池袋署は、男児が寝返りし、窒息死した可能性もあるとみて、司法解剖を行うとともに、重過失致死容疑を視野に母親から事情を聴いている。 
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by ikushun | 2006-08-20 00:16 | 子育て

著書『高校生でもプロ意識が生まれる ディズニーランド 3つの教育コンセプト』『本当にあった ホテルの素敵なサービス物語』ほか。連絡先:ikuishun@gmail.com


by ikushun