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生井俊の目線。

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拝啓、アンジェラさん。手紙の返信は「拝復」がいいと思います。

ライブ、というものが好き。
なぜかはわからないけど、持ち帰ることができない瞬間を、
アーティストと共有できる。
それだけでも、十分ボクは満足です。

拝啓、アンジェラ・アキさん。
きのうは、「My Home Tour 2008」という、
ファンクラブ向けのライブ、お疲れさまでした。

とても、とても、幸せな時間を共有できたこと、
感謝します。

ネットで「友人が行けなくなった」という方から譲ってもらうことができ、
割と前の方で向き合うことができました。
いろんな出会いというものがあるものですね。

曲の終わりかけで「イエーッ」とかけ声だか、
うなり声だか、盛り上げたいのか、自己満足な声をあげる人の近くになって、
世の中にはいろんな人がいるもんだなと感じていました。

そう書いていることからわかるとおり、
ボクは最後の一音が、宇宙のどこかに消えさるまで、
余韻に浸っていたいタイプなのです。

貴女のライブへ出かけるたび、
心の中に落ちてくる曲が異なっています。

一番最初の武道館。
サクラ色。

その後、HOMEだったり、THIS LOVEだったり、Againだったり。

10月11日15時30分からの回で聴いたとき。
やはり、というか、手紙で感涙です。
泣くつもりはなかったのですが、
気づいたら涙が頬を伝っていました。

きのうは、この曲が聴けて、よかったと思うのです。

ところで、
アンケートにも書きましたが、
この曲はどうして「拝啓」と「十五の僕」が書いた手紙に、
「拝啓」と「大人の僕」(大人になった僕)が返事をするのでしょう。

拝啓という手紙は敬具で結び、
そして、返信をするときは拝復とする。


そんな風に、ステレオタイプな教育を受けてしまったので、
違和感があるのです。

もちろん、うたとして、拝啓-拝啓で構わないと思います。
日本の文法に則って、歌詞を書く必要もないでしょう。

でも、素敵な日本語をつむぐ貴女が、
拝啓を、あえて拝啓で受けて返事を書いたのは、
深い意味があるのだろうと考えています。

きっと、リリースする前にも議論があっただろうし、
コンクールの曲に決まって、
中学校や中学生からも問い合わせがあったことなのだろうと思います。
でも、検索してみると、気になる人はそれほどいないようなのです。
それがちょっと心配なのです。

アンジェラ先生、きゃっ、チョーク投げないでぇ!

それを知ってか、知らずか、
日本郵政グループのCMに使われていること、
かなり違和感があります。

民営化されていますが、
もともとは国営企業で、
ゆるぎのないユニバーサルサービスを提供するのが使命です。

そういう企業であれば、
手紙の書き方を忘れてしまった日本人に、
正しい手紙の書き方を、さりげない形で教えてもいいのではないか。
そんな風にも感じます。

こういう話を書くと、
「ずいぶん高い目線で批判しているのではないか」と、
2ちゃんとかなんとかいう巨大掲示板で書かれたりするのですが、
そういうわけではないのです。

ずいぶん、話はそれました。

ただ、ただ、貴女が、
拝啓にたいして拝啓で受けた手紙を書き、出したことについて、
その背景が知りたいだけなのです。

ププッ。
拝啓の背景だって。
おやじギャグ。

ちなみに、このアンジーへの手紙。
きちんとルールに則っていないので、
時候のあいさつもなく、書き方も正しくないことをお詫びします。



貴女が、
会場にいるみんなにではなく、
一人ひとりに向き合って歌ってくれていること。

分野は違うけど、
同じ言霊を操る表現者として、
それをしっかりと感じ、受け止めています。

そして、ライブのような時間が共有できたこと、
ボクは幸せに思うのです。

アンジー、ありがとう。
楽しかったよ。
仕事頑張るからね。
また、どこかでお会いしましょう。

敬具で結ぶような、野暮なことはしない。
きっと、この手紙は続くのだろうから。
by ikushun | 2008-10-12 04:12 | 趣味

著書『高校生でもプロ意識が生まれる ディズニーランド 3つの教育コンセプト』『本当にあった ホテルの素敵なサービス物語』ほか。連絡先:ikuishun@gmail.com


by ikushun